2015
Show & Event

〜ダンスパフォーマンス〜
女のことば 2015
dance performance ~Woman's words~
モダンダンスと詩の朗読のコラボレーション。
詩人茨木のり子さんの、若き日々を戦争で失った怒りや哀しみ、平和や命を尊ぶ詩、女性の人生観をみずみずしく表現した奥深い詩に、さこうかよこが振り付けし、バッハやエリック・サティ、また吉俣 良さんの楽曲に合わせ総勢15名のダンサーが踊ります。
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公演日:2015年9月10日 & 11日
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開演:19時30分
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会場:かごしま県民交流センター中ホール
わたしが一番きれいだったとき
by 茨木 のり子
わたしが一番きれいだったとき
街々はがらがら崩れていって
とんでもないところから
青空なんかが見えたりした
わたしが一番きれいだったとき
まわりの人達がたくさん死んだ
工場で 海で 名もない島で
わたしはおしゃれのきっかけを落としてしまった
わたしが一番きれいだったとき
だれもやさしい贈り物を捧げてはくれなかった
男たちは挙手の礼しか知らなくて
きれいな眼差しだけを残し皆発っていった
わたしが一番きれいだったとき
わたしの頭はからっぽで
わたしの心はかたくなで
手足ばかりが栗色に光った
わたしが一番きれいだったとき
わたしの国は戦争で負けた
そんな馬鹿なことってあるものか
ブラウスの腕をまくり
卑屈な町をのし歩いた
わたしが一番きれいだったとき
ラジオからはジャズが溢れた
禁煙を破ったときのようにくらくらしながら
わたしは異国の甘い音楽をむさぼった
わたしが一番きれいなとき
わたしはとてもふしあわせ
わたしはとてもとんちんかん
わたしはめっぽうさびしかった
だから決めた できれば長生きすることに
年取ってから凄く美しい絵を描いた
フランスのルオー爺さんのように
ね
Year of Production: 2015
Presented by: Kurotama Kikaku
Directed by: Jun Kim
Choreographed by: Kayoko Sakoh
Venue: Kagoshima Kenmin Kouryu Center, Japan
Dancers: Ruka Asakura, Kumiko Fukudome, Sayuri Iimure,
Kako Kijima, Mako Kijima, Mayumi Kijima, Wako Kijima,
Naoko Kurauchi, Momoe Okazaki, Iroha Sennari, Yuna Sennari, Chihiro Shimabara, Mari Sugimoto, Tamiko Yonezawa
Petry reader: Hiroko Mochida
Special Guest Musician: Ryo Yoshimata